埼玉大学研究シーズ集2025-27
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社会基盤● 地下文化遺産の保存活用● 崩壊予備物質(土砂)の生産プロセス20【最近の研究テーマ】産業界へのアピールポイント実用化例?応用事例?活用例小口 千明(オグチ チアキ) 准教授大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域人工石材が使われている建造物で見られる塩類風化(ベルギーの修道院における事例)SEM-EDS(分析電子顕微鏡)による人工石材の局所化学組成分析の例キーワード 石材 風化 劣化 環境 地球資源 塩害● 岩石物性(とくに空□構造)の違いによる表面保護材(含浸材)の効果も研究中です● 非破壊検査を重要視しています● 局所環境測定やモニタリングも得意としています● 研究成果はレンガやコンクリート、セラミック等にも応用可能です● わからない白色析出物を特定して、風化?劣化の原因を究明します環境を守り自然と共生しつつ良い暮らしを目指すためには、まず私たちが暮らしている地球のことから理解する必要があります。私自身は、幼少時から山、川、森など自然が大好きで、地球の持つエネルギーや大自然の美しさを知り、地球科学を学びました。現在では、地形学や岩石鉱物学を基礎としつつ、土木建築や文化財保存などに応用する研究を行っています。世界には、宗教的利用や権力誇示のために建てられた大型建造物の多くが世界遺産や文化財などに認定?指定されています。今や、土木遺産や地盤遺産という言葉も定着しています。しかし、これらの遺産も年月が経つほど風化?劣化が進行し、保存修復する必要が出てきます。その際、まずは元々の材料を把握し、同じ材料で、それが無理であれば代わる材料を用いねばなりません。また、耐久性の良い材料の開発も必要です。岩石の性質や風化?劣化の状態を様々な手法で分析し、立地環境との関係も併せて調査研究しています。地球を丸ごと考え、良い暮らしを目指すために

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